今月は4テーマ+PRが1テーマです。  若干多いですね。  ご関心のあるテーマをご覧いただければ幸甚です。   ★━━━━━━━━━━━ 上野則男のメルマガ ━━━━━━━━━━━★  ≪今号の内容≫  ■事業仕分けに臨む基本方針は?  ■事業仕分けは5W2Hで!  ■トヨタ頑張れ!(前号続き)  ■ギネスの話題  ■ビジネスアーキテクト育成支援を来年始めます ■公園に「犬を入れないでください」のその後(次号送り) ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━No.15 09年12月━━★   小論に対するご意見・反論(掲載の可否は弊社で判断させて いただきます)、ご寄稿等はこちらにお願いします。     ueno@newspt.co.jp  随時、弊社のホームページにバックナンバを含め掲載いたします。  ご利用ください。     http://www.newspt.co.jp/data/mailmaga/mgbk.html ◆…………━◆【事業仕分けに臨む基本方針は?】◆━……………◆  現時点での話題No.1はやはり事業仕分けですね。  まずは、9日間の作業で、4千億円の削減と  1兆円の返納金の合計で1兆4千億円が成果です。  (1兆7000億円という計算もあるようです)。  ご承知のように返納金は埋蔵金とも言われていますが、  会社の経理で言えば、経費削減ではなく  資産の売却益で、食いつぶしなのです。  目標の3兆円にははるかに届きませんし、  「巻き返し」も起きそうです。  それでも、  こういうことに国の予算がこれだけ使われていたのか、  ということを我々が知ることができた効果は  極めて大きいものです。  政権交代の成果でしょう。  また今後は、官庁側でもそのような追求の目を意識して  説明責任を負えるようにしていくことでしょう。  「その補助金の効果を把握していますか」という質問に対して  まともに答えられなかったケースも散見されました。  結果に対する責任を追及しない日本の風土が生きているな  と実感しました。  今はやりの「見える化」ができていないということです。  それはともかくとして、  廃止または予算計上見送りとなったベスト10を見てみましょう。  (11月28日付朝日新聞の記事から上野が作成)  ちなみに、読売、毎日、朝日、日経の4紙を見ましたが  朝日がこのテーマの報道については一番熱心でした。  1.住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金        412億円  2.地域科学技術振興・産学官連携            269億円  3.レセプトオンライン導入のための機器の整備等の補助  215億円  4.国土・景観形成事業推進調整費            200億円  5.公務員宿舎建設に関する経費             191億円  6.農道整備事業                    168億円  7.関西国際空港会社補助金               160億円  8.森林整備への支援                   99億円  9.里山エリア再生交付金と田園整備事業          90億円  10.高効率給湯器導入促進事業費補助金          90億円  お気づきでしょうが、鳩山総理が国際社会で条件付きですが  コミットしている温暖化ガス削減にかかわるものが  3件含まれています。  日本の将来を支えてもらわなければならない科学技術の振興は、  ここでは1件ですが、ベスト10以外でも  有名になった「スーパーコンピュータ開発補助金」  「宇宙ロケット開発費」なども含め、  かなり槍玉にあがっています。  医療の質的向上と医療費の削減につながると思われる  レセプトオンラインも引っかかっています。  今回の仕分け作業全体を見て感じるのは、  「聖域なく」無駄を省くという方針しか前面に出ていず、  削減の選択基準は一切示されていない、ということです。  言い方は悪いのですが、手当たり次第という感じです。  「日本がどういう国を目指すのかという目的に  どの程度直結しているかの程度によって削減率を検討する」  あるいは、  「マニフェストにある『少子高齢化対策』等  につながるものは対象外とする、  それらに該当しないものは積極的にカットする」  とかの方針があれば違った結果になったはずです。  その方針がないために、  効果がすぐに見えないものは切られてしまったのです。  これは仕分け人の見識の問題でもありましょう。  オリンピック選手の強化費用補助とか  (仕分け人から  「オリンピックは参加することに意義があるのでしょう?」  などという意見も出たようです)、  科学技術振興もそうでしょう  (宇宙の研究をして国民の利益になるのか、  という質問がありました)。  「学力テストは学力の状況を知るということであれば  5年に1回でよいのではないか」  などという「見える化」の重要性を弁えていない  とんでもない意見も出ていました。  基本方針なしで検討させておいて  後から見直しが入って仕分けが否定される  というのは、大変まずいやり方です。  仕分け作業の張本人の鳩山議長自身が  ノーベル賞受賞者たちの陳情を受けて  見直しを示唆しています。  それでは、頑張って事前の勉強をして  短時間で集中して「善戦」した  「仕分け人」たちの立場がないではないですか。    国民も何のためにそんな大騒ぎをしてやったのか、  と不信を持つでしょう。  このまずさの原因は、  私の言い方だと、  「仕分けを行う目的がはっきりしていない」  ということになるのです。  これで思い出すのが  1時代前のERPパッケージ導入です。  「みんながやるからうちも」ということで  「何の目的でシステムを新しくするのか」ということを  ろくに検討しないでパッケージ導入を決定しました。  初めは、  「パッケージに対して可能なかぎりアドオン  ・カスタマイズなしでいく」  という方針を立てました。  しかし、いざ具体的なシステム仕様の検討になると、  利用部門から「この機能がないと仕事にならない」  「お客様に対するサービスに支障をきたし売上が減る」  とかのクレームが出て、  結局何でもかんでも言うことを聞く羽目になり  予算の倍のコストと時間がかかってしまった、  という例が多数発生しました。  もし、以下のような方針が出ていればどうだったでしょう、  「今回のシステム更新は、  受注から出荷までのリードタイム短縮  と欠品率の向上を目的とする。  それ以外の機能は  現在よりもサービス率が下がっても良しとする」  そうすれば、この基準に照らして合致するものは  アドオン・カスタマイズもOK、  それ以外はダメという裁きができたはずです。  この方針(システム更新の目的)は、  数多くの要求を裁く篩(ふるい)の役をするのです。  当然ながらこの篩はトップの承認事項です。  今回の仕分けにはこの篩がないということなのです。  仕分け作業で  何でもかんでも取り上げてしまっているのです。  それでも、  「全体として何とかやらないよりは良かった」  という結果になってくれることを期待したいですね。 ◆…………━◆【事業仕分けは5W2Hで!】◆━……………◆   これは、システム企画研修鰍フ伊阪哲雄監査役の発案です。  「事業仕分けの審議は,   弊社推奨の5W2H方式の説明書を用いればよい」  というのです。  なるほどそうですね。  5W2H方式で事業予算の説明書を作成するとすれば  こういうことを書くことになるだろうという  サンプルを以下に示します。  こういうことが準備して書かれていれば  仕分けの審議ももっと的確かつ円滑に  進行できたのではないでしょうか。    以下の内容は架空のものです。  ABC案件の予算説明書  1.ABC案件の目的・ねらい(Why)  (1)目的   @オリンピック等の世界大会に出場できる選手を強化する。    ・どの程度のクラスの人数を育成するかを示す。   A選手を強化する指導者を育成・支援する。    ・どの種目の指導者をどの程度育成・支援するかを示す。  (2)ねらい   @オリンピックの入賞者数を増やす。    ・○○年、△△年のオリンピックの入賞者目標を示す。   A若者に夢を与える。    ・そのイメージを表現する。   B国民を活性化する。    ・その状況を説明する。    (注)ねらいの強調がアピール上重要です。  2.ABC案件の対象範囲(Where)  (1)対象競技    ・列記する  (2)支援対象    ・競技団体に補助するのか、チームに補助するのか、などを示す。  3.ABC案件の事業内容(What)    ・どういう助成を行うかを説明する。  4.ABC案件の事業運営方法(How)    ・助成対象方針の決定→助成対象の決定→助成対象公募→     助成対象審査・決定→助成実施→助成対象の活動状況把握、     等の実施プロセスを記述する。  5.ABC案件の事業運営日程(When)    ・4.の活動スケジュールを示す。  6.ABC案件の運営体制(Who)    ・当案件の実施責任部門、実施担当体制を示す。  7.ABC案件の予算内訳(How Much)    ・何にいくら使うかを示す。 ◆…………━◆【トヨタ頑張れ!(前号続き)】◆━…………◆  前号で、米国のトヨタで発生した  アクセルペダルと床マットの不適合問題を取り上げ、  基本原因は「慢心による部門間連携不足であろう」  という指摘をさせていただきました。  11月26日の新聞に  トヨタがペダルの交換に応じることにした、  という記事が載っていました。  この結論は行き過ぎではないかと思います。  ペダルは単独では何ら問題がないのです。  フロアマットに引っかかって戻らなくなることが問題なのです。  であれば、だれが考えても、  簡単に取り換えの効くマットを変えるべきではないでしょうか。  米国での外国車、特にトヨタバッシングに配慮して  その結論を出したとあります。  慢心から一挙に自信喪失ではありませんか。  ここは常識に訴えて  正論(マットを変える)を通すべきだったのではないでしょうか。  日本の製造業の代表なのです。  いくら事業が始まって以来の危機だからといって、  慌てることなく冷静な対応をしていただきたいものです。  今回の対応の目的は、  再び事故を起こさないことと  トヨタおよびトヨタ車に対する不信感を持たれないこと、です。  それを考えると、  1.事故の原因について明らかにしたうえで謝罪し、   フロアマットを無償で交換すること  2.無償交換を最大の努力によって迅速に行うこと、   場合によっては何かをお詫びの印にサービスすること   をアピールすることが最善の策でしょう。  車本体側に不備があったことを認めるのは  最悪の判断だったのではないでしょうか。 ◆…………………━◆【ギネスの話題】◆━…………………◆  難しいテーマが続きましたので、  少しリラックスした話題を二つ。  半月ほど前でしたか、  どこかの島嶼国で、  112歳の男性が17歳の女性と結婚して  子供を作るという記事が載っていました。  この二人は以前から知り合っていたのですが、  同国の法律では17歳にならないと結婚できないので、  今まで待っていたのだそうです。  凄いですね。  まずは100歳過ぎていて  「待とう」という気になったことです。  112歳というと日本では最長老です。  世界でもそうでしょう。  この方は、その日を楽しみにしたから  元気に生きられたのかもしれません。  2番目に女性も凄いですね。  よくそんなお爺さんと待った挙句に  結婚する気になったと思います。  もっと凄いのが  このお爺さんが子供を作るって本当かしら、ということです。  このお爺さんの歳の何十年も前に  そういうことをやめてしまった方々も  多いのではないでしょうか。  95歳違いの結婚というだけで完全にギネスネタのようです。  本当に子どもができるのでしょうか。  世界の注目です。  <もう一つのギネス話題>  三和銀行の中興の祖で、  106歳で亡くなられたた渡辺忠雄様の奥様が、  先日102歳で亡くなられました。  お二人は結婚最長夫婦としてギネスブックに載りました。  ご主人が亡くなられた時に78年間のご夫婦でした。  この奥様は大変お元気で、  「忠雄様を超えることは間違いない」  と言われていたのですが、  転んで骨折をされたのがもとで病気にかかられ、  あっという間だったようです。  私の母も元気でお医者さんにかかったことがない  というのが自慢だったのですが、  庭の木の伐採をしている時に木から落ちて骨折し、  初めて病院に行ったということを思い出しました。  (この私の母と渡辺忠雄様の奥様とが  従姉妹同士でした)  私の祖母は108歳まで生きました。  99歳まで一人で生活をしていたのですが  つまずいて転んで自由に歩けなくなってから  病院暮らしになり、晩年は認知症でした。  年をとると転ばないように気を付けないといけない  ということです。  という意味でバリアフリーは大事ですね。 ◆…━◆【ビジネスアーキテクト育成支援を来年始めます】◆━……◆  弊社が20数年追いかけてきたテーマは、  ビジネスとITの分かる人材の育成です。  この職種の一本化された適切な呼称はありません。  以前は、  「システムアナリスト」がほぼこの職種の呼称だったと思われます。  ご承知のように、ITSSでは「システムアナリスト」は  「コンサルタント」と「アプリケーションスペシャリスト」  に分かれてしまいました。  どちらもよくわけの分からない名称です。  弊社は、今時点でその職種に  「ビジネスアーキテクト」という呼称を使うことにしました。  ビジネスの革新を仕掛けられる人、という意味です。  その「ビジネスアーキテクト」または  「ビジネスアーキテクトを目指す人」を対象にして、  @その方の資質・適性から思考法、行動、能力の現状を自己診断し  A能力強化の方向を知っていただくと同時に、  B能力強化の対策を伝授させていただく  プログラムを開発しました。    これを用いた第1回のコースを来年2月3日に開催します。  詳細は、このメルマガの後半に掲載しております。  「弊社からのお知らせ」をご参照ください。  ◆……━◆【公園に「犬を入れないでください」のその後】◆━……◆  これにつきましては、品川区道路公園課からの回答がきましたが、  次号以降にご報告したいと思います。  以上です。お読みいただきありがとうございました。 ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆ 【弊社からのお知らせ 目次および開催日程】 http://www.newspt.co.jp/data/schedule.html  ▼ 第37期 MM式‘超’プロマネ養成研修・・・・・1/16スタート ▼ 開発成功の秘策研究トップセミナ ・・・・・・・1/20 ▼ 第5回 ISトップ・フォーラム・・・・・・・・1/21 ▼ ビジネスアーキテクト・ステップアップコース・・2/3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研修名】第37期 MM式‘超’プロマネ養成研修  【日時】2010年1月16日(土)〜7月10日(土)*この間研修は計8回 【内容】相互啓発を重視した訓練中心です。  【対象者】プロマネの基礎能力を身につけ、本格的プロマネを目指す方  【費用】お一人 525,000円(税込み) *初めてご参加の場合は特別割引をさせていただきます。お問合せください。  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/epm/epm.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【セミナ名】開発成功の秘策研究トップセミナ  【日時】2010年1月20日(水) 14時〜19時  【費用】無料  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/semina/tops.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研究会名】第5回 ISトップ・フォーラム   情報サービス業のトップの皆様を対象に経営改善に繋がるテーマを   ご研究いただく研究会です。つど参加も可能です。  【講 師】GISコンサルティング梶@代表取締役社長 工藤 秀憲 様  【テーマ】システム開発の革新を実現する工数精算方式  【日時】2010年1月21日(木)14時〜18時、その後情報交換会  【費用】会長・社長様お1人参加 :会長または社長お1人6.5万円、 ご同伴者1名付き7.5万円  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/is/is2r1_05.html  【対象者】情報サービス業の会長・社長様 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研修名】ビジネスアーキテクト・ステップアップコース(BASC)  【日時】 2010年2月3日(水)9時30分〜18時  【対象者】ビジネスアーキテクト、本格的ITコーディネータ、       システムコンサルタントを目指す方       経験は不問です。  【費用】お一人 42,000円(テキスト代、消費税込み)  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/kensyu/open/basc_op.html ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆ お申し込み・お問い合わせにつきましては本メールへの返信あるいは 弊社HPよりお願いいたします。 ↓ http://www.newspt.co.jp/data/schedule.html ☆★アドレス変更・送信停止等は本メールへの返信にてお願いします★☆ ========================================== システム企画研修株式会社 Tel:03-5695-3130、Fax:03-5695-3131 〒103-0001 中央区日本橋小伝馬町16-2 東事協ビル2F mind-pc@newspt.co.jp http://www.newspt.co.jp ==========================================