上野則男のメルマガ − システム企画研修 No.5 ★━━━━━━━━━━━ 上野則男のメルマガ ━━━━━━━━━━━★  ≪今号の内容≫  ■企業合併 目的は一緒になることではない  ■経費削減 何のために経費削減をするのか、 その目的に照らしてメリハリをつけるべき  ■研修(オープン・コース)、セミナのご案内 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━No.5 09年2月━━★   小論、それに対するご意見・反論(掲載の可否は弊社で判断させていただきます)、  ご寄稿等は随時、弊社のホームページにバックナンバを含め掲載いたします。  ご利用ください。          http://www.newspt.co.jp/data/mailmaga/mgbk.html ◆・◆・…………………………━◆【 企業合併 】◆━………………………・◆・・◆                  目的は一緒になることではない         入れ物を大きくするのはその先の統合効果が目的のはず              企業合併はなぜ行われるのでしょう。 合併によって事業競争力を高めるためです。 それが生き残りの必須条件である場合もあります。 事業競争力が高まるのは、以下の場合です。 1.事業の強みを補完しあってなお強くする場合   最近の例では、パナソニックと三洋電機が太陽電池・リチウムイオン電池事業強化   を主目的にして経営統合する、ということがありました。 2.規模の拡大によって市場支配力を高める場合   小売業の合併はほとんどがこの目的です。 3.拠点の統合などで効率を高める場合   金融機関の合併は主にこれでした。   新日石と新日鉱ホールディングの経営統合も、   拠点の統廃合が大きな目的です。 4.重複事業部門を整理して効率を高める場合   同じことを小さな規模で取り組むより、大きな規模で取り組んだほうが   生産性は高まります。   多くの企業の合併ではこれが目的に含まれています。 5.戦略部門を強化する場合   製薬業界の製品開発部門、物づくり企業の生産技術部門などは、   優秀な人材をそこにどれだけ振り向けられるかが競争力を左右します。 6.管理間接部門の負担減をねらう場合   管理間接部門は、従業員人数比例の部分と固定的な部分とがあります。   一般的には後者のほうのウエートが高いでしょう。   1千人の会社でも1万人の会社でも100人が必要なら、   1万人の会社は1千人の会社の10倍の経営効率が実現できます。 これらのいずれか、またはいくつかを目的に経営統合するのですから、 それが実現しなければ経営統合する意味がありません。 しかし実際の経営統合を見ていますと、 外側(入れ物)だけは一つになっているけれども、 中での統合が進んでいないというケースが見られます。   経営統合はトップの方針で進められますし、 関係者は上記の目的に対して総論賛成です。 ところが具体的な統合となると、なかなか進みません。 個人の利害がからんで陰での反対があったり、 それらを乗り越えて進めるだけの腕力が不足していたり、が原因です。 IT業界は、規模を大きくしないと生き残れないという認識で、 陣取り合戦の真最中です。 しかし、統合後の一体化が進んでいないという状況が多く見られます。 最終目的を達成するための時間はもうあまり残されていません。 ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆・・◆   ◆・◆・…………………………━◆【 経費削減 】◆━…………………………・◆・・◆     何のために経費削減をするのか、その目的に照らしてメリハリをつけるべき __________________________________  一律経費削減?  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 会社の業績が悪くなってくると、必ず実施されるのが経費削減です。 多くの場合、一律10%カットといった基準で実行されることが多いようです。 一律である根拠として、個別事情を考慮するとそれぞれにもっともな理由があり、 それを議論している時間がない、今は緊急事態である、 というようなことが言われるのです。 はたしてそうでしょうか?   経費削減を行う場合も、何のために経費削減を行うのか、 を検討する必要があります。 多くの場合は利益を確保するために経費の削減を行うのでしょう。 だとすれば、利益の確保につながる程度に応じて削減率を変えたらよいのです。 営業成果に直接つながるような経費 (たとえば営業手数料、ある業界の広告費、イベント費用、営業の交通費)は削減0 営業成果に間接的につながるような経費 (たとえば交際費、営業の人件費)は10%削減 それ以外は20%削減 とかにすればよい、のです。 何らかの理由で経費の絶対額を減らさなければならないのなら、 額の大きな費目で減らすのが、手間ひまがかからなくてよいことになります。 一律削減は、 それを実施する事務方の無能さを表わしているということになりそうです。 個人の出費削減なら一律にはしないでしょう? 削減の影響や効果が判断できるからです。   以下にいくつかの観点から経費削減を研究してみましょう。 __________________________________  経費削減の対象は4K?  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 業績不振になると真っ先に削減される経費は、 3Kとか4Kと言われています。 交際費、広告費、交通費、研修費です。 どれをとっても不思議なことです。 交際費は売上確保のために使用する経費です。 交際費を減らせば売上が減少し、利益も減少するはずです。 交際費を減らしても売上が減少しないのなら、 平時からその線で予算を組むべきでしょう。 緊急時ならなおさら交際費を増やしてでも売上を確保すべきではないのでしょうか。 広告費も同じように考えることができます。   交通費はほとんどが営業の費用か、深夜勤務のタクシー代です。 営業の費用を削減しても営業の生産性の維持ができるかどうかは、 検討の余地があります。 必ずしも必要ではない交通費を使っているのではないかという、 管理部門の不信感が背景にありそうです。 そう思うのであれば、平時から使用基準を明確にしていたらよいのです。 その基準が的確であれば、緊急時はもっと交通費、 交際費を使って成果を高めるべきだという考えになるのではないですか? __________________________________  経費削減のために研修費を減らす?  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ さて研修費はどうでしょうか。 研修の内容もいろいろあります。 新入社員研修、管理職昇格研修などはやめられないでしょう。 あるいは本来あるべき内容を削減して実施することも、 実施目的からしてしにくいでしょう。   そうすると経費削減の対象になるのは、 それ以外のいわゆる能力向上のための研修です。 あるIT系の企業では、09年度は、 新入社員研修・管理職昇格研修以外の研修はいっさい実施しない という予算を組んだそうです。 日ごろは「当社の経営資源は人材しかない」と言っていながらです。 経営危機だから経営資源を磨かないというのは、 逆の動きではないでしょうか。 どのような人材が求められるかを研究して、 そのような人材能力を強化する研修を実施すべきでしょう。 そういう人材投資には、 たとえそのために赤字になったとしても銀行は融資すべきです。 ある自動車製造業が、減産のための操業停止日に、 その何割かの時間を必要な技能伝承に使うという記事が出ていました。 工場の技能は、 その必要性が分かりやすいのでやりやすい面があるでしょうが、 IT業界でも、 真剣に検討すればどんな技能が必要かは判明するはずです。 必死で検討していない表れでしょう。 いずれにしても、 研修は日ごろから本当の経営ニーズや部門のニーズに 合致しているか疑問があるということが問題です。 何のために研修を行うのかという検討が不十分なのです。 必要性が明確であれば、たとえ1年でも全く実施しない、 ということはないのではないでしょうか。 以上、経費削減対象の3Kや4Kはすべて、 日ごろからその使用目的があいまいであることが問題だ、 ということになりそうです。 ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆・・◆ ◆・◆・…━◆【研修(オープン・コース)、セミナのご案内】◆━…・◆・・◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【目次および開催日程】 http://www.newspt.co.jp/data/info/schedule.html  ▼ 新リスクマネジメント研究セミナ・・・・・・・・・2/26  ▼ 要件定義手法研究コース・・・・・・・・・・・・・3/3〜4、3/13  ▼ ISトップ・フォーラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/5  ▼ 開発成功の秘策研究セミナ・・・・・・・・・・・・3/11 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※すでにお申込みの方には、度重なるご案内をお詫び申しあげます。 ※会場の記載の無いものはすべて弊社(システム企画研修)にて開催いたします。  http://www.newspt.co.jp/data/copr/map1.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【セミナ名】新リスクマネジメント研究セミナ  【日時】2月26日(木)14時〜18時30分 【費用】10,000円/1名(消費税込み)  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/info/semina/risks.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研修名】要件定義手法研究コース  【日時】A.業務プロセス設計編         3月3日(火)〜4日(水)9時30分〜18時(会場:弊社)       B.データ分析基本編(会場:データ総研)         3月13日(金)9時30分〜18時  【費用】A.業務プロセス設計編+B.データ分析基本編        (3日間)\126,000/1名(テキスト・昼食代・税込)       A.業務プロセス設計編のみ        (2日間)\89,250/1名(テキスト・昼食代・税込)      ※データ分析基本編のみの受講はお受けしておりません。  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/kensyu/yoken/ysemi.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研究会名】ISトップ・フォーラム   情報サービス業のトップの皆様を対象に経営改善に繋がるテーマを   ご研究いただく研究会です。つど参加も可能です。  【日時】3月5日(木)14時〜18時、その後情報交換会  【費用】会長・社長様お1人参加 :52,500円/1回、ペアご参加 :63,000円/1回  【対象者】情報サービス業の会長・社長様  【会場】富士フイルムコンピューターシステム鞄a(南青山)  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/info/is/is12_06.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【セミナ名】開発成功の秘策研究セミナ  【日時】3月11日(水) 14時〜19時  【費用】無料  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/info/semina/tops.html ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆・・◆ ---------------------------------------------------------------- お申し込み・お問い合わせにつきましては本メールへの返信あるいは 弊社HPよりお願いいたします。 ↓ http://www.newspt.co.jp/data/info/schedule.html ☆★アドレス変更・送信停止等は本メールへの返信にてお願いします★☆ ========================================== システム企画研修株式会社 電話:03-3440-1800、Fax:03-3440-1799 〒108-0074 港区高輪3-11-3 東信高輪ビル4F mind-pc@newspt.co.jp http://www.newspt.co.jp ==========================================